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Thursday, April 1, 2021

朗報! 悪名高い小惑星アポフィス、今後100年間は脅威にならなさそう - ギズモード・ジャパン

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地球にとって最もキケンな石塊のひとつ、アポフィス

3月6日に地球のそばを通過したばかりですが、その際NASAが行なった観測により、今後少なくとも100年間は地球に衝突するリスクがないとわかったそうです。ホッ…!

今世紀内の衝突の可能性はなし

地球にはおよそ8万年に1度の頻度サッカー場3個分の大きさの天体が衝突すると言われています。2004年6月に発見された小惑星アポフィスは直径約340mとやや小ぶりではありますが、2068年に地球と衝突する可能性が指摘され、恐れられていました。もしもアポフィスが地球に降ってきたなら、威力こそは6600万年前に動植物の大半を絶滅に追いやったと言われているチクシュルーブ隕石ほどでないにしろ、確実に災害を引き起こし、場合によっては地球規模の寒冷化を招くとも言われています。

幸い、NASAが行なった最新の調査でその危険性がいくらか緩和されました。アポフィスが3月初旬に地球の近くを通過した際に得られた観測データから、いままでより誤差の少ない軌道が予測可能になったのです。

その結果、「アポフィスが2068年に地球に衝突する可能性はなくなりました」とNASAの地球近傍天体研究センターに所属するDavide Farnocchiaさんはプレスリリースで説明しています。「私たちの計算によれば、今後少なくとも100年間は衝突のリスクはないと考えられます」

ピンチはチャンス

アポフィスは3月6日に地球から1690万kmほど離れたところを通過しました。その際、近距離から観測するチャンスを逃すまいと、NASAはカリフォルニア州にあるゴールドストーン深宇宙通信施設の電波受信アンテナを使い、アポフィスの位置情報を150m以内の誤差範囲で割り出したそうです。調査に関わったジェット推進研究所のMarina Brozovicさんいわく、「このレーダーぐらい強力な双眼鏡があったとしたら、ロサンゼルスにいながらもニューヨークのレストランにあるメニューを読むことができる」のだとか!

さらに、NASAのチームはウエストバージニア州にあるグリーンバンク天文台の電波望遠鏡を併用することで、アポフィスから送られてくる電波情報の強度を倍増し、撮像分解能を1ピクセル=38.75m四方まで高めることに成功しました。こうしてアポフィスの軌道をより正確に把握することで、地球への衝突リスクをより明確に判断できるようになってきたそうです。

これまでアポフィスが地球と衝突するリスクは15万分の1とされていました。可能性としては限りなく低いものの、ゼロではなかったわけです。そのため、アポフィスはNASAの地球近傍天体研究センターが管理している「潜在的に危険な小惑星リスト」の3番目にキケンな天体として登録されていました。今回、新たな調査結果がリスクの低下につながったことで、アポフィスは結果的にリストから完全に除外されたそうです

今回行われた光学観測および電波観測により、アポフィスが2029年に取る軌道の誤差を数百kmからたったの数km単位にまで減らせました。2029年のフライバイ時にアポフィスがどのようなポジションをとるかをより詳しく予測できると同時に、アポフィスがこれからたどる軌道についてもより正確に予測できるようになりました。その結果、リストから外せたのです

とFarnocchiaさんは説明しています。

取得したデータの解析はまだ終わっていないものの、今後アポフィスの形状(今のところはふたつの小惑星がつながったピーナッツのような形だと考えられています)、回転速度やスピンを解明できると期待されています。これらの詳細な情報が手に入れば、2029年にまたアポフィスが地球の近くにやってくるときにどのような軌道を描き、どのような動きをするか、さらに予測しやすくなりそうです。

2029年に最接近

アポフィスが2029年にたどると思われる軌道
Video: JPLraw/YouTube

次回のフライバイはちょっと特別です。今回と異なり、地球からたった3万2000kmしか離れていないところを通過しそうだからです。それって地球から月までの距離のおよそ10分の1しかありません。月よりも、場合によっては人工衛星よりも近いところをかすめていくことになります。あまりにも近いので、地球から望遠鏡や双眼鏡を使って目視できるはずなのだとか!

そんなに近くを通っていくわけですから、当然アポフィスについてさらに詮索するチャンスです。どうです、せっかくですし、地球からありったけの好奇の目を向けて宇宙を駆けるピーナッツの姿を見てやろうじゃありませんか。もしかしたら、アマチュア天文家こその大発見があるかもしれませんしね。

Reference: NASA

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