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Saturday, August 22, 2020

IKEAのヴィンテージが人気急上昇!──コレクターがはまるワケ(GQ JAPAN) - Yahoo!ニュース

イケアの古い廃盤家具が、デザインマニアや家具コレクターから注目を浴びている。60年代から80年代のヴィンテージ家具の人気が再燃したことで、イケアが豊かなデザイン手法を備えたイノベイティブなデザインスタジオであると、見直されるようになったからだ。 イケアは、家具小売りの世界最大手に名を連ね、50カ国以上で店舗を展開している。全世界で生産される商業用木材のほぼ1%はイケアに行き着く。飛行機の格納庫さながらの広大な店舗と、大学寮やひとり暮らしの部屋にぴったりな家具を揃える店。予算内で買えるソファが売っているところはほかにないから仕方なく足を運ぶ店。いずれ引っ越すときに、そのまま置いて行っても惜しくないようなデスクを売っている店。そう考える人も多いだろう。 しかし一方で、イケアは創業当時から、一貫してデザイン第一を掲げてきた。イケア創業者のイングヴァル・カンプラード(Ingvar Kamprad)は、1943年に通販事業を立ち上げたときにデザイン第一主義を力説し、のちに、みずからデザインも委託するようになった。それ以降、イケアは、大物デザイナーのヴェルナー・パントン(Verner Panton)やニールス・ガメルガールド(Niels Gammelgaard)といった顔触れを揃えた。 今でこそ、イケアと聞くとパーティクルボードと呼ばれる合板を思い浮かべるかもしれないが、そのカタログにスチールやグラスファイバーを使った家具がずらりと並んでいた時期もあった。現在も、「長く大事に使い続けてほしい」という昔ながらの思いを込めた、斬新なスウェーデン風ミッドセンチュリーデザインのアイテムを販売している。 米国、ロサンゼルスの家具店「ミッドセンチュリーLA(MIDCENTURY LA)」は、60年代から80年代にかけての製品や、スウェーデン、デンマーク、ブラジル風の輸入家具を専門に取り扱っている。店主のデイヴィッド・ピアース(David Pierce)は、16年前からイケアのビンテージ家具を販売してきた。当初は、イケア製だと「明かすべきかどうか迷った」という。しかし、今では堂々と口にしている。また、ニューヨークのブルックリンで70年代と80年代のイタリアン家具をおもに販売する「Bi-Rite Studio」の経営者のキャット・スノッドグラス(Cat Snodgrass)は、ひと目でデザイナーがわかるような名品、たとえばジョエ・コロンボ(Joe Colombo)のワゴンの横に、イケアのヴィンテージものを置いてスタイリングすることが多い。「顧客に対して、新しい文脈のなかでイケアを改めて紹介してみせること」が目的だとスノッドグラスは話す。 スノッドグラスはイケアのヴィンテージ家具について「シンプルで、手ごろな価格で、気取ったところがないことは首尾一貫しています。基本に立ち返り、普遍的な魅力を持つデザインを追求しようとするモダニストの姿勢が感じられます」と、語る。 シンプルで価格も手ごろ、気取ったところのないデザインへとイケアを後押ししたのは、工業デザインを学んだのち、何十年にもわたって同社で家具デザインを手がけたガメルガールドだ。彼は70年代後半に、カンプラードのもとでデザインを始めた。「何のルールも課されなかった」そうだが、相当の数のデザインを生み出さなければならないという責任は意識していた。ガメルガールドは、収納からテーブル、椅子類にいたるまで多数の人気製品を残している。イケアのレガシーには、ガメルガールドの美の哲学が深く刻み込まれているのだ。 ガメルガールドは、かつて自身がデザインしたイケアの古い家具を購入し、スウェーデンにある夏の別荘に置いているが、そのなかには、「自分でデザインしたことを忘れていた製品もある」のだという。 イケアのヴィンテージ家具を見つけるのはそう容易ではない。1972年に発売され、もっとも人気のあるアーカイバルデザインのひとつであるギリス・ラングレン(Gillis Lundgren)デザインの「Impara Sofa(インパラ・ソファ)」などの初期製品は、おもにヨーロッパでしか出回っていない。 ただし、個人でも入手は可能で、ヨーロッパのデザイン家具輸出専門マーケットプレイス「Pamono」を使って輸入するのもひとつの手だ。Pamonoではここ数年、イケア製品の売上が右肩上がりだ。人気なのは、ガメルガールドが1986年にデザインした「Oti chair」で、価格は、輸送料抜きで300~400ユーロ(約3万8000円~5万円)ほど。また、パントンがデザインした「Rietveldian 1995 Vilbert chair」(2250ユーロ:約28万円)も需要が高い。 最近になってイケアは、ガメルガールドの「Jrpen chair(イェルペン・チェア)」など、80年代にデザインされた製品を復刻し始めている(現在はRAANE chair:ローアネ・チェアという名前で製造されている)。また、アーカイブ代わりにイケア博物館のInstagramアカウントも開設した。さらに、イケアが未来へ目を向けていることも、注目すべき点だ。時代の最先端を行くファッションデザイナーのヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)やウォルター・ヴァン・ベイレンドンク(Walter Van Beirendonck)とコラボに乗り出している。 イケアの魅力は価格だけではない。慣れ親しんだ場所で驚くようなアイテムを発見できることにも胸が躍るのだ。 Translation Yasuko Endo/GALILEO

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August 21, 2020 at 05:41PM
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