『週刊東洋経済』は2月15日発売号で「アートとお金」を特集。新型コロナによる緩和マネーの流入で活況を呈する現代アート市場に加え、アート投資の方法、コロナで苦境に立たされる美術館の経営などに迫っている。 【写真】これが高橋氏のコレクションの一部だ! 7兆円ある世界のアート市場の中で、日本の比率は数%と小さい。昨今は40代前後の若いアートコレクターが増加しているが、そもそも日本は、「コレクターに優しい国」とは言いがたい。「相続や美術館への寄付時に税制優遇が希薄」「保管が難しい」といった問題もあり、コレクターの数も規模も欧米や中華圏に比べて圧倒的に劣っている。
そのような日本で一大コレクターとして知られる人物は、どのような志と情熱をもってアートを買ってきたのだろうか。 草間彌生や会田誠など、2000点超の作品を所有する国内有数の現代アートコレクター、精神科医の高橋龍太郎氏に聞いた。 この記事の画像を見る(◯枚) ■作家になれなくても作品を買ってアートに関わる ――何がきっかけで、現代アートを買い始めたのですか。 僕にとって、アートをコレクションするのは「見果てぬ夢の成れの果て」のような部分があります。もともと僕は映像作家になりたかった。そこで、父の勧めで入学した慶応大学医学部を中退し、アート界隈に出入りしていました。全共闘運動が活発だった1960年代当時、アメリカ・ニューヨークで奮闘する草間彌生は、まるで時代の女神のような存在でした。ただ、僕には作家としての才能がなかった。そこで再び医師を目指すことにし、アートから遠ざかりました。
本格的に作品を買うようになったのは、40代後半で自分のクリニックを持って経営が軌道に乗ってきた1990年代半ばのことです。やっぱり、自分にとってはアートの近くにいるのがいちばん気持ちいい。作家になれなくても、作品を買うことでアートに関わることはできる。そこで美術大学の卒業展やギャラリーに出入りし、美術館に収蔵される前段階の、僕だけの絵画や彫刻を探すようになりました。これが僕のコレクター人生の始まりです。
からの記事と詳細 ( 現代アートをケタ違いに集めた男が達した境地 2000点超保有の精神科医・高橋龍太郎の収集哲学(東洋経済オンライン) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース )
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