Pages

Monday, March 15, 2021

初回3万9,800円のAndroidタブレットをFire HD 10と比較してみた - PC Watch

juraganluempang.blogspot.com
FFF SMART LIFE CONNECTED「FFF-TAB10H」。価格は4万7,800円(初回のみ3万9,800円)

 FFF SMART LIFE CONNECTED(旧MARSHAL)の「FFF-TAB10H」は、10.1型のAndroidタブレットだ。ミドルクラスのCPUと、このクラスの製品にはめずらしい6GBものメモリ、さらに128GBのストレージを搭載しながら、初回分は3万9,800円と、リーズナブルな価格で入手できることが特徴だ。

 現在Androidタブレットは新製品が著しく減少しており、電子書籍ユースでAndroidタブレットを探しても、なかなかコレといったモデルが見つからない。ChromebookにAndroidアプリを導入して電子書籍を読むにしても、タブレットとして使える2in1タイプとなると、前回紹介した「IdeaPad Duet Chromebook」くらいしか候補がない。

 今回紹介する「FFF-TAB10H」は、そうしたなかでひさびさに登場した、ミドルクラスのAndroidタブレットだ。CPUはMediaTekのMT8788(オクタコア)を採用、6GBのメモリと128GBのストレージを搭載しつつ、初回限定ながら3万9,800円という価格を実現している。電子書籍用途を中心にタブレットを探しているユーザーには、興味深い製品だ。

 今回は、電子書籍ユースではこの画面サイズで競合となり得る、Amazonの「Fire HD 10」と比較しながら、本製品の特徴を紹介する。一般的な用途では、すでに西川氏による以下のレビューが掲載されているので、そちらを参照していただきたい。

6GBのメモリと128GBのストレージを搭載

 まずは前述のFire HD 10とのスペック比較から。

【表】FFF-TAB10HとFire HD 10(第9世代)のスペック
FFF-TAB10H Fire HD 10(第9世代)
発売元 FFF SMART LIFE CONNECTED Amazon
発売 2021年2月 2019年10月
サイズ(幅×奥行き×高さ) 253×163×8.2mm 262×159×9.8mm
重量 555g 504g
OS Android 10 Fire OS 7(Android 9ベース)
SoC MediaTek MT8788(オクタコア) MediaTek MT8183(オクタコア)
CPU A73(2GHz)×4 + A53(1.8GHz)×4 A73(2.0GHz)×4 + A53(2GHz)×4
GPU Arm Mali-G72 MP3 Arm Mali-G72 MP3
メモリ 6GB 2GB
ストレージ 128GB 32GB/64GB
画面サイズ/解像度 10.1型/1,920×1,200ドット(224ppi) 10.1型/1,920×1,200ドット(224ppi)
通信方式 Wi-Fi 5(IEEE 802.11ac) Wi-Fi 5(IEEE 802.11ac)
Bluetooth Bluetooth 4.1 Bluetooth 4.2 LE
バッテリ持続時間(メーカー公称値) 11時間 12時間
スピーカー 1基 2基
端子 USB Type-C USB Type-C
microSDカードスロット ○(最大512GB)
価格(発売時、税込) 4万7,800円
(初回のみ3万9,800円)
1万5,980円(32GB)
1万9,980円(64GB)

 両製品とも10.1型、解像度は1,920×1,200ドットで、さらにMediaTekのSoC(オクタコア)を採用している。Fire HD 10は2019年発売とやや古い製品だが、本製品に用いられているMT8788も2019年リリースのSoCで、より多くのメモリ容量をサポートしていることなどを除けば、グレードそのものの差はわずかだ。

 本製品の特徴は潤沢なメモリとストレージだ。Fire HD 10はメモリが2GB、一般的なAndroidタブレットでも4GBがほとんどのところ、本製品は6GBものメモリを搭載する。またストレージも128GBと、64GBが一般的なこのクラスのAndroidタブレットと比べると多めだ。さらにメモリカードによる容量追加にも対応している。

 バッテリ容量は7,000mAhと十分だが、その影響もあってか重量は約550gと、かなりのヘビー級だ。このクラスでは現時点で最軽量の第4世代iPad Air(458g)との差は100g近くあり、軽さを重視する場合にはやや不利だ。

 インターフェイスはUSB Type-Cだが、急速充電規格であるUSB PDには対応しない。これはFire HD 10と同様だ。またBluetoothはバージョンが4.1であるなど、Fire HD 10のBluetooth 4.2よりもやや低めだ。

 このほか、指紋認証・顔認証などの生体認証には対応せず、画面ロック時にはパスワードやPINでの解除が必須となるのも、Fire HD 10と同様だ。フォームファクタ自体が古いわけではないが、ところどころにこうした気になる箇所がある。

インカメラの配置だけ見ると、縦向きでの利用を前提としたデザイン。筐体はアルミ製
ベゼル幅が上下・左右で均一なので横向きでの利用も違和感はない。むしろこちらでの利用がメインになるだろう
Fire HD 10(右)との比較。画面サイズは同等、筐体サイズは本製品のほうがやや小さい

ほぼ素のAndroid。高速なレスポンスを実現

 プリインストールアプリは、Google製を中心とした基本的なアプリばかりで、素のAndroidに近い。メーカーの独自色が強いタブレットを苦手とする人にはプラスのはずだ。電子書籍アプリもプリインストールされていないので、自前で好みのアプリをインストールすることになる。

ホーム画面。この上なくすっきりとしている
プリインストールアプリ。ほぼGoogle純正のラインナップ。電子書籍関連はない

 本製品を実際に手に取ってまず感じるのは、やはり前述の重量だ。Fire HD 10もかなりずっしりくるデザインだが、本製品はそれ以上だ。背面は中央部に比べて端が薄くなっているデザインゆえ厚みはそこまで感じないのだが、やはり550gを超える重量はいかんともしがたい。

 もっとも実際に使いはじめると、レスポンスが速く快適なことから、そうしたマイナスはあまり気にならなくなる。Fire HD 10のもっさり感とは異なり、本製品は多くの動きがきびきびとしており、ストレスを感じない。6GBのメモリの恩恵はかなりあるものと思われる。

 その一方、ベンチマークの数値はそれほど高くはない。「Sling Shot Extreme」の値は1,255で、Fire HD 10(1152)と大差なく、これだけ見ると完全にエントリークラスだ。体感的にはFire HD 10の2倍近くあってもおかしくないと感じるが、SoCベースではそれほど差がないことが、このスコアにつながっているのだろう。

背面は中央にかけて膨らみのあるデザイン。端は薄いため、持ったときの厚みはそれほど感じない。ちなみにこれらデザインはCHUWIの製品と酷似している
ベンチマークアプリ「Sling Shot Extreme」のスコア。左が本製品、右がFire HD 10。体感できるレスポンスのよさからすると、意外なほど低スコアだ

 ちなみに本製品、ベゼルの幅はそこそこあるのだが、電子書籍ユースではベゼルがあまり狭すぎると本体を持ちにくく、誤ってページをめくってしまうことがあるので、決してマイナスではない。見た目がやや野暮ったいのを、がまんすればよいだけだ。

 試しにNAS上の4K動画をストリーミングで再生してみたが、等速であれば再生中に止まることもなく、動画視聴にも向く。ただし背面で左右対称に配置されている穴のうち、スピーカーは向かって左のみなので、ステレオ再生にならない点は注意が必要だ。イヤフォンなどを活用する必要があるだろう。

ベゼル幅はそこそこあるが、しっかりと保持できるのはプラスだ。ちなみに幅は上12.5mm、左右が18mmある
本体裏面の縦長の穴は左右対称に空けられているが、スピーカーは左側のみで、右側は放熱口とされている。やや解せない仕様だ

ページめくりはもちろんサムネイル読み込みなどでも支障なし

 続いて電子書籍ユースについて見ていこう。電子書籍の表示サンプルは、コミックはうめ著「東京トイボクシーズ 1巻」、雑誌は「DOS/V POWER REPORT」の最新号を使用している。

 10.1型、1,920×1,200ドット(224ppi)という画面周りのスペックはFire HD 10とまったく同じで、よって表示の品質も同等だ。とりたてて高解像度ではないが、10.1型のAndroidタブレットはほぼどれもこの解像度であり、実用レベルと言っていい。

 前述のようにレスポンスは良好で、ページめくりにおいて支障がないのはもちろんのこと、エントリークラスのタブレットによく見られる、サムネイルが多数並んだページで読み込みを待たされたり、スクロールがカクつくこともまずない。

 また、前回紹介したモトローラのAndroidスマホ「Moto e7」のように、1つのコミックのダウンロードに20秒近くかかることもない。Wi-Fi 5(IEEE 802.11ac)対応なので当然と言えばそうだが、こうした通信まわりもストレスは少なく好印象だ。

 さらにAndroidタブレットゆえ、コミックの読了後にすぐにアプリ上で続刊を購入できたり、サンプルを読み終えるとそのまま購入できるシームレスなフローも秀逸だ。電子書籍ユースでiPadと比較する場合は、この点は大きなアドバンテージとなる。

コミックを見開きで表示した状態。サイズも十分で快適に読める。ページめくりをはじめとしたレスポンスも良好だ
Fire HD 10(下)との比較。表示面積はほぼ同等だが、ベゼル横幅がありすぎるFire HD 10に比べると本製品のほうがバランスがよい
縦向きにすると雑誌やムックも表示できるが、上下の余白などあまりバランスはよくなく、また原寸大というわけでもない
注釈の細かな文字もしっかりと読み取れる

 そんな本製品でネックとなるのは前述の重量と、あとは画面のギラツキだ。手の脂もつきやすく、できれば保護シートなどで対策したいところだが、失礼ながらメジャーでない製品ゆえ、アクセサリの入手性の低さはどうしてもネックになる。

 もう1つ、音量調整ボタンが長辺側にある関係で、音量調整ボタンによるページめくりがしづらい点も気をつけたい。本体を縦向きに保持した場合も、本体のかなり上を持たなくては指が届かない。音量調整ボタンを使ったページめくりは、Androidを使う利点の1つだが、ここがイマイチなのはもったいない印象だ。

横向きに保持した場合、音量ボタンは左上になるため、ページめくりボタンとして使うのは厳しい
縦向きに保持した場合は、右手でギリギリ操作できる

実売3万円台であればよい選択肢

 以上のように、細かいマイナスはあるものの、電子書籍を快適に読むためには優れた製品、というのが筆者の評価だ。汎用性および性能の点でFire HD 10に不満を感じる人には、とくによい選択肢だろう。製品ロゴなどの自己主張が弱めなのもいい。

 一方でネックとなるのは価格だ。現在入手可能な10型前後のAndroidタブレットは、エントリークラスのCPUでメモリ4GB、ストレージ64GBを搭載して2~3万円前半という実売価格が多い。本製品は初回限定で3万9,800円という価格が設定されており、メモリ6GB、ストレージ128GBであることを考えればギリギリ納得がいく。

 しかしこれが通常価格の4万7,800円ともなると、競合製品が増えてくる。今月の発売が予定されている、Snapdragon 662搭載で4万7,080円のNEC PC「T1175/BAS」もあれば、Snapdragon 665搭載のNTTドコモの「dtab d-41A」も、LTE搭載という強みがある。さらに第8世代iPadの128GBモデルも、4万9,280円で入手できてしまう。

 メモリ6GB/ストレージ128GBというスペックは他製品と比較した場合の強みだが、これが活きてくるのは、実売価格がある程度こなれていることが最低条件だろう。今後のメーカーの判断にもよるが、本製品に興味のある人は、初回価格が維持されているうちにゲットしておいたほうが賢明かもしれない。

第8世代iPad(右)との比較。通常価格であれば、同じ128GBモデルでほぼ同じ価格で入手できる

Let's block ads! (Why?)


からの記事と詳細 ( 初回3万9,800円のAndroidタブレットをFire HD 10と比較してみた - PC Watch )
https://ift.tt/3qKqBS8
科学&テクノロジー

No comments:

Post a Comment