江戸時代の浮世絵師、葛飾北斎(1760〜1849年)の研究者2人による希少な収集品を展示する企画展「学者の愛したコレクション −ピーター・モースと楢崎宗重−」が墨田区のすみだ北斎美術館(亀沢2)で開かれている。12月5日まで。前後期で一部入れ替えて、約140点を展示する。(長竹祐子)
世界有数の北斎コレクターとして知られる米国人の美術研究者ピーター・モース(一九三五〜九三年)は、大森貝塚を発見した考古学者エドワード・モースの血縁。北斎に関する論文や著作をものしている。東京であった北斎展で来日中に亡くなり、墨田区が遺族から約六百点の資料を取得した。企画展では、うち約百点を展示している。
収集品の一つで、多摩川に浮かぶ舟と富士山が描かれた浮世絵「冨嶽(ふがく)三十六景 武州玉川」は、川面の波に色を付けず版画の凹凸のみで波立つ様子を表現している。波が鮮明に確認できるものは、希少という。同館の学芸員は「モースは北斎研究に情熱を傾け、希少価値の高い作品を意識して集めていたことが分かる」と解説する。
楢崎宗重(一九〇四〜二〇〇一年)は、昭和から平成に活動した美術史家で、日本浮世絵協会会長を務めた。企画展では、同館に寄贈された約四百八十点の収集品から、北斎をはじめ、弟子や他派の絵師の作品、油彩画や水彩画など約四十点を展示する。
前期は十一月七日までで後期は同月九日から。月曜休館。午前九時半〜午後五時半。一般千円(常設展示室の観覧料込み)など。問い合わせは、同館=電03(6658)8936=へ。
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