Pages

Saturday, January 22, 2022

収集見返し「充実感」 紙グッズコレクター 切符や切手、包装紙も - 毎日新聞 - 毎日新聞

集めた鉄道の切符など、展示できるようにきれいに整理している=埼玉県春日部市内で2022年1月20日、古賀三男撮影 拡大
集めた鉄道の切符など、展示できるようにきれいに整理している=埼玉県春日部市内で2022年1月20日、古賀三男撮影

 グッズ収集の定番と言われる鉄道の切符や郵便切手、包装紙など紙グッズのコレクターがいる。若いころから収集を始め、東京都内で展示会を開いたこともある埼玉県春日部市在住、元市生涯学習市民推進員の田村育三さん(85)。収集の醍醐味(だいごみ)などについて聞いた。【古賀三男】

 ――紙グッズの収集が趣味になったきっかけは何ですか。

 ◆中学生の時に毎日中学生新聞を購読していました。その中で文通で知り合った東京の方に「新聞の題字を集めている」と言うと、京都にいた私との間で地元の新聞の題字を送り合って全国の新聞の題字を集めるようになりました。それが、紙コレクションの始まりです。

 ――これまでにどんな物を集めたのですか。

 ◆高校生になると、新聞の題字ではあまり面白くないと思うようになり、いろんなデザインを楽しめる切手を集め始めました。その後、風呂敷を製造・販売する会社の営業担当として23歳の時に東京に転勤しました。すると、その頃、昭和の東京オリンピックが開催されたんです。その会場となる東京・代々木の競技場の売店へ風呂敷を納入していました。その時に、記念のコインを買ったり、入場券を集めたりしました。さらにその後、札幌市に転勤になったんです。仕事で北海道の全域を回りました。それを機に鉄道の切符を集めるようになったんです。そのころ、一時流行した旧国鉄広尾線の幸福駅の入場券を多くの知人に送りましたよ。

 鉄道の切符には記念切符もあります。いろんなきれいな景色に電車をデザインしたものや観光地で桜が咲く風景を収めたものもあります。それら紙の硬券からJRが発行したプリペイドのオレンジカードも集めました。でも磁気カードは味気ないかな。他には昭和の駅弁の包み紙、記念発売されたタバコの包み紙、マッチ箱の広告ラベルも集めました。駅弁の紙は私の父親が少し集めていたものもあります。

 ――これらのコレクションはどうやって収集したのですか。

 ◆私は日本交通趣味協会という組織に入っています。その関係などで切符を収集する友人から譲ってもらったり、交換したりしています。1999(平成11)年11月11日の1が六つ並ぶ日に、この日付が印字されたJR東海道線全駅の入場券を友人と4人で手分けして、全部を集めましたよ。他にJR山手線や全国の県庁所在地駅の全駅の分もあります。

 ――コレクションの楽しさは何ですか。

 ◆集めたコレクションを整理している時が楽しいですね。例えば、東海道線の駅にしても全駅の入場券がそろうと充実感があります。「よく集めたな」と、自分を褒めたくなりますよ。

 ――今後の収集の予定や、これまで集めたコレクションをどうしますか。

 ◆私は85歳になったんで断捨離をしています。もう新たに収集する予定はありません。これまで集めた切符をほしいと言う友人もいます。でも、これだけ集めたものを多くの人に見てほしいとも思うし、検討中です。

記者の一言

 大切に保存する1964年の東京オリンピック時のコレクションは、東京の美術館が借りに来るほど珍しいという。コレクションは古銭や旧紙幣などにも及び、点数は自分でも数えたことがない。これらの収集の楽しさを語る田村さんの笑顔を見て、まだまだ現役の収集家だと感じた。

田村育三(たむら・いくぞう)さん

 1936年、京都市生まれ。中学生の時、新聞の題字など紙グッズのコレクションを始める。日本交通趣味協会の会員で、東京支部長を務めた。元春日部市生涯学習市民推進員で、「老後」などをテーマに講演する。同市身体障害者福祉会の団地支部評議員も務める。

Adblock test (Why?)


からの記事と詳細 ( 収集見返し「充実感」 紙グッズコレクター 切符や切手、包装紙も - 毎日新聞 - 毎日新聞 )
https://ift.tt/3ArpU6t

No comments:

Post a Comment