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ライブストリームショッピングプラットフォームのワットノット(Whatnot)はNFTに全力を投入しようとしている。
同社は1月、ユーザーが自分のNFT(非代替性トークン)を再販することを許可しはじめた。NFTは基本的にブロックチェーンによって動作するレシートで、デジタルまたは物理的アイテムの所有権を示すものだ。同社は現在のところ、同ショッピングプラットフォームのユーザー層がコレクターであることから、現時点では主にWAXブロックチェーンに特化している。WAXを利用しているブランドには、フンコ(Funko)、トップス(Topps:メジャーリーグベースボール[Major League Baseball])、カプコン(Capcom:ストリートファイター[Street Fighter])などがある。
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ワットノットは現在、NFTへの投資増を計画している。同社のコレクターと熱心な愛好家の増加に伴い、同社はアディダス(Adidas)や、ナイキ(Nike)、ウォルマート(Walmart)などのほかの小売業者とともに、NFTの重要なプレイヤーになるための計画を描いているのだ。ワットノットのこの計画は、9月に行われた1億5000万ドル(約183億円)のシリーズC投資により、同社の評価額が15億ドル(約1830億円)に達したのを受けたものだ。
NFTはコレクティブルの世界で重要な存在に
ワットノットの創設者でCEOを務めるグラント・ラフォンティーヌ氏は、NFTについて次のように述べている。「当社は引き続きNFTに投資し、それを倍増していくつもりだ。ワットノットは、大まかにいうとコレクターと愛好家向けのプラットフォームだ。コレクターに焦点を当てた大規模なプラットフォームとして、準備万全にしたいと考えた」。
同社は2019年、YouTubeのスターであるローガン・ポール氏、DJのスティーブ・アオキ氏、NFLプレイヤーのディアンドレ・ホプキンス氏などの後援者に支えられ、ライブストリームのショッピングプラットフォームとして設立された。同社で配信されるライブストリームの多くは、コレクターやホビースト向けに作られている。これらのコレクターやホビーストは、出品者になることを申請でき、承認されればいつでも希望するときに、同社のコミュニティガイドラインに従って品物を販売できる。ラフォンティーヌ氏は、同社プラットフォームに現在数千人の出品者が存在し、同社がサポート可能な数を超えた小売業者が参加を希望していると語っている。
同社の投資は、コレクターにとって最高のNFT体験を生み出すことを中心に行われるという。ワットノットは追加のブロックチェーンのサポートや、NTFドロップなどNFTを販売するための各種フォーマットの構築といった取り組みを計画している。同社はすでに、新しい領域への展開を主導するため、成長リーダーを含む新しい人材を雇用した。
ワットノットで販売されているほかの商品と同様、同社は自社プラットフォーム上で行われたNFT取引の「ほんの一部」を受け取る。同社の利用規約によると、購入したNFTの真正性の検証については、購入者がすべての責任を負わなければならない。
ラフォンティーヌ氏は、「当社は、NFT形式のデジタルコレクティブルが、コレクティブルの将来において大きな部分を占めると予測している」と述べている。「当社がこの分野に投資していなければ、これらを簡単に収集できるようにしたいというユーザーからの要求は、かなり大きなものとなっていただろう」。
シービー・インサイツ(CB Insights)のシニアマネージャーを務めるトーマス・シノー氏は、NFTの買い手は多くの場合、これらのアセットに資金を費やすことを望む、若い層の消費者だと述べている。同氏は、多くのNFTの買い手はゲーマーやWeb3の信奉者で、多くのブランドが躍起になって獲得しようとしている消費者グループだと語る。
「これらの消費者はすでに多くの資金を費やしているため、その財布の一部でも確保したいと望んでいる」とシノー氏は述べている。ブランドにとって、「これは、顧客のグループを実際に使って、どのような方法がうまく機能し、どのような方法が機能しないかをテストして学ぶための方法だ」。
アディダスやナイキもNFTに参入
小売業界でもNFTへの関心は高まりつつある。たとえばアディダスは、「イントゥ・ザ・メタバース(Into the Metaverse)」というタイトルの最初のNFTドロップにより、ある1日の午後の売上だけで約2200万ドル(約26億8000万円)を獲得した。ナイキは12月に、デジタルスニーカーとNFTスタジオのRTFKTの買収を発表した。一方でウォルマートは新しい商標を最近登録し、バーチャル商品の製造販売の計画を示唆している。
ピュブリシス・サピエント(Publicis Sapient)のデータ戦略担当グループバイスプレジデントを務めるエージェイ・ダラル氏は、NFTへの参入は、自社の市場シェア拡大と新しい顧客の獲得を求めるブランドに利益があるだろうと語る。これは、各ブランドが新しいNFT商品によって自社の位置付けを再設定する機会ともなり得る。
NFTへの投資には、小売業者へのリスクもある。ブロックチェーンによっては、NTFを作ることが環境に甚大な影響を及ぼす恐れもある。これは、NFTエコシステムを実行するには膨大なコンピューターの処理能力が必要で、この分野への参入を希望する小売業者に対する非難の理由になり得るためだと、ダラル氏は語る。たとえば、地球に優しい材料の使用を宣伝していたD2C下着ブランドのミーアンディーズ(MeUndies)は、NFTの収集およびコミュニティのボアードエイプヨットクラブ(Bored Ape Yacht Club)に参加したことを公表してから、消費者による非難を受けることになった。
一方で、NFT市場に参加しないブランドは競合他社に後れをとる恐れがあると、ダラル氏は語る。「ブランドや小売業者が今すぐNFT分野に参入する必要があるかといえば、簡単にいうとノーだ」と同氏は述べている。「一方で、これらの企業は、Web3を含むこの市場全体について考え、調査して、今後数年間に適応するため必要な戦略を作り上げ、今後1〜2年、または3〜5年間において運用開始すべきなのかといえば、100%そのとおりだ」。
ワットノットは、NFT関連の機能をローンチするだけでなく、今年に入り、パステルラボ(Pastel Labs)を買収した。パステルラボは、ユーザーのビデオ証言を記録するためのSaaS製品などの実験的な製品を開発しており、エンジニアリング責任者を含む多くの人材を採用している。ラフォンティーヌ氏は、今回の動きは同社の人材、特にエンジニアリング部門の強化を示唆していると語った。
ワットノットは、取り扱いカテゴリーの拡大も計画している。ラフォンティーヌ氏は、現在同社のプラットフォームに、ビンテージファッションやスニーカーなどを含む約50のカテゴリーが存在するとしている。「当社はユーザーから、何をもっとも購入したいのかを教わり、それらの新しいカテゴリーを次々と取り扱い開始していく」。
[原文:Inside livestream marketplace Whatnot’s plans to ‘double down’ on NFTs]
Maria Monteros(翻訳:ジェスコーポレーション、編集:戸田美子)
Image via Whatnot
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