静岡・沼津市に、“あるもの”の魅力に心を撃たれ、夢中になっている男性がいる。それは…引き金を引くとミラーボールのようにさまざまな色にピカピカと光ったり、スーパーマンに変身できそうな音が鳴ったりするおもちゃの銃だ。
収集歴5~6年で700個以上
この記事の画像(18枚)(Q.これはなんですか?)
デザイナー・よたさん:
これはピカ銃です。ピカピカ光るおもちゃの銃なのでピカ銃と呼んでいます
引き金を引くことで、光と音が出る銃器型の玩具。
1970年代ごろからアメリカで流行し、日本では駄菓子屋などで販売されたおもちゃだ。
紹介してくれたのは沼津市でデザイン業を営む、よたさん。
光って音が鳴る銃のおもちゃに一般的な名前はなく、よたさんはこれらを「ピカピカ光るおもちゃの銃」略して「ピカ銃」と名付けた。
雨宮帆風記者:
よたさんが集めた「ピカ銃」のコレクションの一部がずらりとあります。コレクションの数はなんと700個以上です
ピカ銃の魅力は「掘れば掘るほどわからない」
日本一を自負するコレクション。放った光がプロジェクターのように動物の絵を映し出したり、恐竜の鳴き声がしたりするものもある。
集めることを極めたよたさんは、オリジナルのピカ銃をデザインして製造と販売もしている。
よたさん:
5、6年前から集めていて、現在売られているものは網羅したので。700個(集めている人は)いないだろうなと自負しています。もしかしたら世界で一番もっているかもしれない
よたさんが魅せられた「ピカ銃」の魅力とは?
よたさん:
5年以上集めているけど、初めて見るものもあるし。掘れば掘るほどわからない。でも楽しい
例えば、恐竜の口にキラキラ光る球体が付いたピカ銃...
よたさん:
なんでここにミラーボールあるんだよみたいな。意図がわからないからいいですよね。1個1個に個性があるところが面白いなと思います
よたさんのお気に入りベスト3
そんなよたさんにピカ銃コレクションの中で、お気に入りのベスト3を紹介してもらった。
【第3位】「スーパーゴールドレーザーガン~エレクトロ宇宙サウンド~」
金色のピカ銃。それより目を引くカラフルなパッケージが特徴だ。
よたさん:
1990年後半から2000年代にかけて売られていたピカ銃のパッケージなんですけど、なんか心踊っちゃう。窓付きのパッケージ。欲しくてたまらなくなる
【第2位】 名称不明
本体が透けて中の構造が見える、2020年代に発売されたばかりのピカ銃だ。
よたさん:
結構実銃に似た形なんですが、なにがすごいかって、電池のボックスがマガジンになっていて、入れると音が鳴るし、中が動くこのワクワク感!
【第1位】「スーパースペースガン」
意外にシンプルで小さなピカ銃だと思ったら...
よたさん:
一番はやっぱりスーパースペースガン。これが一番好きですね。ピカ銃史上唯一、撃つと“脳”(銃身に付いた脳を模した飾り)が動くというギミックを搭載している。時代は違うけど、すごいいいおもちゃを作っていたなと。これはすごい好きです
“捨ておもちゃ”だからこそ集める
よたさんは収集しているだけではなく、全国で展示会を開いたり、自ら写真を撮ってSNSで発信するなど幅広い活動で魅力を伝えている。
よたさん:
こういうプラスチックのおもちゃは“捨ておもちゃ”と呼ばれるような、子供がすぐに遊んだら捨てちゃうようなおもちゃなので、集めている人がいない、残す人もいないから、集めて残しておこうかなというのが楽しみではある。たまにある「うわ~こういうの作っている人いるんだ」みたいなのが刺激になるので、集めてよかったなと思います
集めるを極めたら...町おこし企画を思いついた
そんなよたさんが新たな取り組みを始めた。
集める楽しさを、沼津の活性化につなげようというのだ。
雨宮帆風記者:
沼津市内の写真館の店頭に置かれているこちらのシール、看板のデザインが再現されています
沼津の新しい名物やお土産になってほしいと、よたさんが企画してデザインした「ヌマヅ看板シール」。
看板を再現したシールを作らせてほしいと、7つの店舗とアーケード名店街に直談判した。
よたさん:
こんなところ行ったよと誰かに渡すでもいいし、一人で思い出に浸るでもいいし。シリーズとしてどんどん増やしていったら、今回第1弾を8枚出したけど、2弾3弾と欲しいから、また沼津来ちゃおうとか、沼津帰ってみようかなとか、そういう人が増えていくと沼津も楽しくなるかなと
看板シールが沼津のにぎわいに
普段は気づきにくいけれど、昔から身近にある沼津の魅力を知るきっかけになってほしいと始めたこの取り組み。
シールはぞれぞれの店で販売したり配布したりしている。
協力した店からは期待の声が聞かれた。
正秀刃物店・大野さん:
商店街に興味持ってくださるのはうれしいし、沼津のレトロな感じがいいという方もいらっしゃる
マルサンホビー・堀井さん:
(シールが置いて)あるのを知っていて来た人もいますけど、見てすごい!と言って複数枚、5枚とかでまとめて買っていかれる方もいらっしゃった。町の盛り上がりに非常に貢献されていると思います
こちらの写真館では100枚用意されたシールが、10日間ですでに58枚がお客さんに配られた。
中には、シールを求めて初めて来店するお客さんもいた。
つじ写真館の人:
初めての方で「シール集めているんですけど、あるんですよね?」なんて来られる方もいらっしゃいましたね。
(Q.初めて来るきっかけになるか?)
なってますね
シールを受け取った人:
シンプルでかっこいいシールだなと思いました。お店ごとに種類があるとなると、集めてみて並べると面白いかなと思いました
ヌマヅ看板シールは店頭での配布に加え、今後は土産店やネットでの販売を目指している。
ピカ銃で「好きなものを集める」ことを極めたよたさん。 “集めたい”と思わせるヌマヅ看板シールの取り組みが 、沼津のにぎわいづくりにつながるかもしれない。
(テレビ静岡)
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