巷では今、トレーディングカードが驚くほどの高値で取引されることが常態化しつつあり、社会問題となっている。2022年6月に日本玩具協会が発表した統計によると、カードゲーム・トレーディングカードの市場規模は1782億円で前年比45%増。コロナ禍の外出自粛などの影響もあって、コレクター人気が過熱している状況だ。中でも人気の高いポケモンカードのレアカードは1枚数千万円から数億円、セットで数千万円という値段が付くものもあるそうだ。
昨今のトレーディングカードの高騰は、コレクション目的というよりも投機が主な目的だと思われるが、トレーディングカードなどの収集ブームは、各時代、各世代で起こっている。例えば、昭和生まれのお父さんたちは、ロッテのチョコレート菓子「ビックリマン」の付属シールや、カルビー株式会社の「プロ野球チップス」についてくるスター選手のカードなどを集めて、袋を開けるたびに一喜一憂した覚えがあるのではないだろうか。
実は「プロ野球チップス」は現在も販売されており、4月3日には全114種類のカードの内から1袋あたり2枚が付いてくる2023年版の「プロ野球チップス」が発売されたばかりだ。折しも今年3月、侍Japanが3大会ぶり3回目のWBC制覇を成し遂げたこともあり、プロ野球人気が高まっている。コンビニやスーパーで「プロ野球チップス」を見かけ、久し振りに手を伸ばしたという人も多いはずだ。
そんな中、日本酒の老舗メーカー・白鶴酒造も3月10日から、コレクター魂を刺激する阪神タイガースとのコラボ商品「白鶴 サケカップ 阪神タイガースラベル 200ml」を数量・期間限定で全国発売している。すっきりとした後口とバランスのいい味わいのサケカップのラベル表面には、同球団の中でも特に人気の6選手(梅野隆太郎選手、大山悠輔選手、近本光司選手、佐藤輝明選手、青柳晃洋選手、中野拓夢選手(順不同))の昨年の躍動感溢れるフォームと背番号、同選手らのサインがあしらわれ、ラベル裏面にはそれぞれの名シーンが新聞記事風に解説されている、ファン垂涎の代物だ。小売価格は1瓶250円。6本コンプリートしても、たったの1500円。未開封のまま飾って眺めるもよし、阪神タイガースが優勝した暁に開ける、特別な祝いの酒にとっておいてもいい。2セット揃えたとしても、目玉が飛び出る様な金額を請求されることはない。小売店の他にも、白鶴酒造資料館や白鶴公式オンラインショプでも販売しているので、今ならまだ、手に入れることができるだろう。
趣味やコレクションは、他人にはなかなか理解されないものが多い。それだけに、価値をはかるモノサシを自分の中にしっかりと持っておくことが大切だ。1枚のトレーディングカードに本当に数億円の価値を感じているのなら、その人にとっては、それが1億円でも安いものなのかもしれない。でも、転売や投機が目的なら、やめた方が良い。今はどれだけ高値が付いていたとしても、興味がない人にとっては、それは本来、定価かそれ以下の価値のものでしかないのだから。(編集担当:今井慎太郎)
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