2020年12月12日(土)、日本最多のギャラリー数を誇るテラダ アート コンプレックス 2や、運河沿いの水上ホテル、2021年1月にはギャラリー専用の美術品保管サービスのギャラリー デポの誕生などアート界で躍進を続ける寺田倉庫が、現代アートのコレクターズミュージアムを新たにオープン。ここでは天王洲をアートの一大拠点として、また、現代アートの価値と魅力を広く伝えるための新施設を紹介する。
貴重なアートコレクションを解放
ワット(WHAT)は、「WAREHOUSE OF ART」の頭文字をとった施設名だ。「倉庫を開放、普段見られないアートを覗き見する」というユニークなコンセプトのもと、現代アートシーンで活躍する作家のコレクションや、ミュージアムショップ、若手アーティストの作品を鑑賞、購入できるアートギャラリーカフェも備えている。
初日開催の『-Inside the Collector’s Vault, vol.1-解き放たれたコレクション展』は、アートコレクターとして著名な精神科医の高橋龍太郎コレクションと、奈良美智作品のコレクターであるA氏が所持する、始玉のアート作品を中心に展示。高橋コレクションの会場は、川内理香子、梅沢和木、近藤亜紀ら若手作家をはじめ、岡崎乾二郎や草間彌生の作品までそろい、見応え十分。
それぞれの作品の魅力や、コレクターになるまでのきっかけに触れながら鑑賞できる。本展ではQRコードから聞くことができる音声ガイドも充実しており、作品の解説を聴きながらゆったりと観るのもいいだろう。
建築にまつわる展覧会
また、2016年から保管と展示を行ってきた建築倉庫ミュージアムは、建築倉庫プロジェクトに施設名を改め、同施設内で今後も建築に関する展覧会を開催。同日から始まる『謳う建築』展は、建築の持つ魅力と文芸家の言葉を展開した、新鮮な感覚にハッとする展示だ。
詩人、谷川俊太郎と建築家の篠原一男は、篠原が手がけ、谷川が実際に住んでいたという『谷川さんの住宅』について、建築模型と家にまつわる詩を展示している。
アート購入も可能、解放的なワットカフェ
ギャラリーから少し離れた場所にあるワットカフェ(WHAT CAFE)では、アートを見ながら食事やコーヒータイムを過ごすことが可能に。今後は出店アーティストの公募や、展示内容と連動したワークショップやイベント、アートファン同士の交流会なども予定している。アートの発信地と変化を遂げた天王洲から、ますます目が離せない。
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