知宏さんが学生時代からバイト代をはたいて集め始めて約20年。11年前に転入した際は一部を処分したが、荷物の大半を占める圧倒的存在感に引っ越し業者から不思議がられたほど。そんな二人の漫画愛を並べた「マンガの世界」が綾てるは図書館で5月にあった。
5回目の今年は「1軍級」の約600冊を厳選した。さわやかな新緑と風、屋外の親子連れの声に包まれて、漫画に没頭できるぜいたくで静かな時間が流れた。初夏の日差しを浴びた本たちも深呼吸して気持ち良さげ。待ちに待った年1度の”カメの甲羅干し”といえようか。
電子書籍の普及でファンの裾野は広がった。でも、と二人は言う。「紙を前提にした作品はページをめくったときの衝撃、読者の目線の動きまで計算し尽くされている。淡々とライトに読めるスマホとは染み入り方が全く違う」。本は重くて運搬も大変。それでも収集を続ける理由はこれなのだろう。
祐紀子さんが「今こそ読んで」と薦めてくれたのが、こうの史代著「この世界の片隅に」。「物価高にウクライナ侵攻など閉塞(へいそく)感があるが、生活の丁寧さと誠実さに打たれる」。シビアな現実に向き合う術(すべ)を考えるには雨の音と指先の紙のざらつき感が似合いそうだ。
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